%コード・イエロー%

「二人だけの、秘密にもできるけど?」


それは、あまりにも色気のある悪魔の囁き。

答えがないのを、肯定の意味に取ったのか、


仲地は、私の頬に唇を滑らせる。

鼻と鼻をこすり合わせ、吐息をもらし。


まるで、恋人同士のように、仲地は時間をかけて、私を責める。

じらしながら、ゆっくりと。


けれど、私たちは、恋などしていない。


そう、私は、獲物だ。

猫に捕らえられた、ねずみ。

見た目はなんともかわいらしい猫が、小さな生き物を放り投げて、もて遊ぶかのように、

仲地は、私に強引に触れそうで、決して触れない。






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