%コード・イエロー%
「あぁっ!」
私の嬌声が、広い倉庫の中に響き渡る。
階下は駐車場で、上は、薬品庫だ。
どれだけ大きい声を出しても、聞こえることはないと思うが。
それでも、自分自身のいやらしい声が、誰かに聞かれはしないかと、
はらはらして、余計、敏感に感じてしまう。
「何考えてる?
ちゃんと、俺の指に、神経集中してろよ」
いやらしい水音が、さらに激しさを増し、私の体を私でないものへと分解する。
「せんせい・・・、私、もう」
耐え切れずに、降参の旗を振る。
しかし、彼は、私の希望を、ただ一言で、無残にも打ち砕いた。
「だめだ」
のぼりつめる寸前で、指の動きをとめると、私のうなじに唇を落とす。
そのまま、じらすように、胸を愛撫しながら、低くつぶやいた。
「お前、他の事に気を取られてただろう。
それに、二人だけのときは、その呼び方は止めろといったはずだ」
結局、私は、彼の院内PHSが、単調な音を奏でるまで、
天国とも地獄ともつかぬ世界を、さ迷い歩いた--。