%コード・イエロー%

昼の1時を過ぎて、私と里佳子は、やっと食事にありついた。


「もう、まじでお腹すいた~!」


里佳子がお腹をよじりながら、オーバーアクションで、笑いを誘う。


ポンプを押すと、白い液体が流れ出た。

二人でそれを手に取ると、指の一本一本を念入りに洗う。

親指は、意外に洗い忘れが多く、特に注意が必要だ。


「なんか、新型インフルやばそうじゃない?」


先に洗い終えた里佳子が、消毒薬を手にまぶしながら口にする。


「ほんと。絶対GWで拡大するよね。

うちにも対策室できたらしいよ」


「え~、誰が担当するわけ?

どうせ、押し付け合いでしょ」


ほんと、医師も看護師も、下手に人数がいるから、

みんな自分には関係ありません、って顔するのが得意だ。


「なんかね、立候補した先生がいるって噂だよ」


私たちの会話を小耳に挟んだ看護師の沢渡さんが、口を挟んだ。


「「え~、うそっ!?」」


二人が同時にはもった。






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