%コード・イエロー%

かくいう私も、本当は、この日の勤務をしたいと思ってるわけではない。

あまりに長い連休中のQ外は、普段の日の数倍忙しい。

忙しければ、当然悠長にカルテを探している暇などない。


しかも、患者の数が多いってことは、

例えば、3年前に、この病院でペースメーカーを埋めました、なんという、

昔のカルテや、フィルム(レントゲンや、CTなど)が必要になる患者が来る確立も増えるわけで。


当然のようにカルテ庫に人の出入りが多くなり、

こっそり忍び込んでなどいられなくなるのだ。


仕事ばかりじゃなく、遊ばなきゃダメだ、と毎回説教される私は、

今回も、里佳子のありがたいお言葉を聞く羽目になりそうだと、苦笑した。


が、彼女がさっきまで浮かべていた険しい顔が、

なぜか、韓流スターの追っかけをしているおばさま方のように輝き・・・。



・・ん?なんだ?



私の背後に向けられているだろうその視線を追うように、

ゆっくりと振り返ると。











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