%コード・イエロー%
仕事があるから、と手を振る永井君を見送り、私は狭い店内を物色し始めた。
他にも知り合いが来るんじゃないかと、ちょっとどきどきしたけど、
今更どうしようもない。
開き直ると、怖いものなんてないように思えた。
もう、どうにでもなれ。
私は、朝ごはんになりそうなものを、なるべく安くなるように計算しながら両手にかかえた。
冷蔵庫を勝手に、と言われても、さすがに気がひける。
けど、部屋に戻れるかどうかもわからない今の状況では、余計な出費をするわけにもいかない。
アルコールの棚に目がいったけれど、顔を背けて早足で歩いた。
・・せっかくの連休に、何やってるんだろうな。
帰り道、何度も頭を掠める。
考えないように頑張っているのに、なんでだろうな。
それでも、太陽の下にいるよりも、ぜんぜんましなのかもしれない。
明るいところにいると、自分の孤独な闇が、ますます強調されて這い上がれなくなりそうな気がする。
闇は、好き。息ができずに、もがいていても。
闇は、きっと誰にでも平等に訪れる。
生を受けたものには、死が必ず訪れるように。
たとえ、それが苦しかろうと、安らかであろうと・・・。