%コード・イエロー%

『今日は、夜まで戻れそうにない。

勝手に部屋を出て行くなよ。夏夜の部屋のことは俺が何とかしてやる。いいな』


土曜の昼間、亮雅からこんなメールが届いた。

その前に、家主と連絡を取ろうとしたけど、やっぱり無駄で、途方にくれていたから、

この命令形は、ある意味私にとっては都合がいいんだけど。



・・なんだか、どんどん深みにはまってるみたい。



地獄の扉は、一度開いたら閉じることはできないのかもしれない。


やることもなく、じっとしていれば悪いことばかりを考えてしまう悪循環をたちきるために。


「掃除でもするか」


誰もいない部屋で独り言つ。

自分の部屋の布団を干したかったのにな、などと思いながら、仲地の部屋の布団を干した。


どうせならと、シーツも洗い、掃除機をかけた。

そこまでやると、なんだか止まらなくなり、誘惑に負けて冷蔵庫を覗く。


じゃがいも、にんじん、たまねぎ、さば、ひき肉、卵、などなど。

調味料もきちんと並べられていて。



・・意外。ちゃんと自炊してるんだ。






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