%コード・イエロー%

夕飯を作ってしまったものの、なんだか一人で食べるのも気がひける。



・・9時か。どうしよう。



勢いで作ってしまったが、よく考えたら亮雅が夕飯を家で食べるかどうかもわからないのだ。

むしろ、病院で食べてくる方が自然な気がする。


そう思い始めた頃、静かな部屋にインターホンの音が鳴り響いた。



・・え?どうしよう!



おろおろしていると、今度は携帯電話の着メロが私をせかし始める。


ディスプレイには、仲地亮雅の文字。

ほっとして電話に出ると、鍵を開ける催促をされた。

怒気を含んだ低い声。


「えっと・・お帰りなさい」


言っておいてちょっとまずかったかと思ったけど。

だって、こんばんは、じゃ変だし、お疲れ様ってのもなんかしっくりこないし。


声からすると、不機嫌だろうと予測していたのに、

亮雅は私の顔を見ると、楽しそうに唇の端を吊り上げた。



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