%コード・イエロー%
さすがにやばいと思ったのか、いつも流暢にとげを吐き出す亮雅の口が、機能していない。
おそらく、病院に報告されるだろう。そしたら、クビだ。
・・これで、終わりにしよう。
高校を卒業して医療事務の学校を出、この病院に勤め始めてもう6年だ。
ここまで頑張ったんだ。
・・ごめんね、春菜ちゃん。
きっかけがなければ、いつまでもこの地獄から這い出せない。
ここらが潮時だと、自分をごまかす言い訳を並べ、私は身のふりかたを考えようとした。
その時。
「そのなくなったカルテが、どこかにあると思ってるわけか。
わかった。そのカルテ、俺が探してやるよ」
亮雅の声が、稲妻みたいに私の体を突き抜けた。
「うそ!」
思わず振り返って、亮雅の瞳をまじまじと眺めた。