%コード・イエロー%
3分もすると、胃の痛みはだいぶひいて、普通に歩けるようになった。
その間、男はずっと、私の横に座っていた。
よほど暇なのか?
会社員・・には見えないし。
格好だけ見ると、一見フリーターやプーって感じの若者っぽいファッションだけど、
身につけてるものからして、それはないだろう。
「あの、ご迷惑かけてすみませんでした。
もう大丈夫ですから、行ってください」
「具合悪そうなのに、ほうっておけないでしょう?
良かったら、病院に連れて行きますが」
男は、端正な顔に微笑を浮かべる。
私の・・苦手な顔。
遠まわしじゃなく、はっきり言うべきだったかな。
さっさと行けって。
普段、私は、思ってることを決して顔には出さない。
職業柄、そういうのは、身についた習慣っていうか、くせみたいなもん。
なのに、この男は、突然、ぼそっとつぶやいた。
「そんなに俺が邪魔なわけ?」