%コード・イエロー%
これは、遊びだ。
恋愛ごっこ。
医者なんて、軽くて遊び人ばっかりだ。
腕もないくせに、いばりちらして。
医者の妻です、なんて、鼻高々に病院を訪れる彼女らを、
みんな本当は心の中で笑ってる。
“あんたのダンナ、浮気してるよ”
“あんたのダンナ、患者からの苦情すごいよ”
知っていて無視しているのか、知らずに無視されているのか。
とにかく医者の女って立場は、裏舞台を知っている私からすればピエロみたいに見える。
そう、私は、そんな女にはならない。
そんな類の女ではないんだ。
これは、遊び。
ただの、契約。
改めてその事を心に刻む。
そう考えれば、この先何があっても傷つかずにすむだろう。
そんな風に予防線を張らなくてはならないほど、亮雅に溺れかけていることに、
このときの私は、まだ気づいていなかった。
--気づかないふりをしていた。