%コード・イエロー%
手伝います、と言って台所に入ったが、すでにほとんどの準備は終わっているらしい。
「んじゃ、これ。そっちに持って行って」
亮雅に皿を渡された。
「これ、ホットサンド?」
皿の上には、トマトやレタスたちを脇役にした、かわいいキャラクターの焼き目がついた食パン。
「そう。うまいぞ。さっさと食おう」
小ぶりなフライパンだと思ったら、ホットサンド用だったのか。
茶色く浮き上がるキャラクターを見て、思わずぷっと吹き出した。
「なんだよ。俺が作ったものに不満でもあるのか」
やや不機嫌な顔をした亮雅を見ると、その落差が余計につぼに入る。
だって、似合わないよ。こんなかわいいキャラクターのホットサンド。
口元を押さえて、くすくす笑うと、亮雅が舌打ちしながら席に着いた。
「いただきます」
こんなに楽しく朝ごはんを食べたのは、何年ぶりだろう。
心の中に、密度の濃い何かが詰まっていく。