%コード・イエロー%

一面が灰色がかった嫌な時間が流れていく。

こういうの、あんまり得意じゃない。


学生の頃に良くあった。

面倒な体育祭の委員決めのときなんかによくあるあれ。

誰が、沈黙を破るか、みたいな感じ。

私はあの重い空気にいつも負けて、自分がやります、って手を上げる人間だった。

それは、今でも同じだ。

受けたくない患者にしり込みしている後輩にいらついて、結局貧乏くじを引くんだ。


と、亮雅が私より先に口を開いた。


「その服、似合ってるな」


「は?」


てっきり、鈴木の話の続きだと思ってたのに、いきなりの明るい声に面食らう。


「やっぱ、お前はパンツよりもスカートの方が可愛く見える。

パンツは、足の短さが強調されるからな。スカートの方が幾分ましだ」


昨日の昼間、ショッピングに連れ出された私は、色んな日用品以外に、

当然のように着替えを買うことになり。

私の意見など聞くそぶりさえ見せず、亮雅の意思だけで決定された白いワンピ。

シンプルな形だけど、やっぱりお金を出した分だけあって、

私みたいなずんどう体型でも、とても綺麗なラインが出る。

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