%コード・イエロー%
「夏夜」
亮雅の低い声が、私の脳をかき回す。
「電気、消してください」
「下さい?」
不機嫌そうな亮雅の声に、意図するところを汲み取って返事をする。
「電気を消して。亮雅」
満足げな笑みをと同時に、亮雅の長い腕が伸ばされると、
リモコンのピッという音がして、室内の照明が落ちた。
いたるところに唇を落とされて、あっという間に私の体温が高められていく。
時間にすれば、ほんのわずかのことなのに、
男と女って体の関係ができると、一気に相手との距離が近くなる気がする。
全てをわかった気になって、でも、数回体を重ねたくらいで、その人の本質を理解できるわけなんてないのに。
それでも、なんとなく亮雅は私のすべてを許してくれる気がする。
私が、亮雅の全てを許してしまうように--。