%コード・イエロー%
電子音が激しくなり続け、次に私が目を開いた時、部屋の中は薄暗かった。
あんなに晴れていたのに、また雨でも降ったのだろうか。
ピンポン、ピンポン。
止まらない音が頭に響く。
何の音だっけ?少し考えてから、インターホンだとわかった。
とにかく音を止めたくて、ゆっくりと歩いた。
「はい」
『夏夜?私だよ、里佳子!』
声は間違いなく里佳子だが、映像に映っている姿が暗くてよく確認できない。
「里佳子?仕事はどうしたの?」
『何言ってるの!とっくに終わったよ!とにかくここ開けて』
なんだか夢でも見ているようにふわふわ浮かんでいる感覚があって、まっすぐ歩けていない。
里佳子の言葉もすんなり頭に入ってこないが、とりあえず玄関まで出て開錠した。
「夏夜!どうしたの?携帯にかけても出ないし。びっくりしたよ」
『あ、ごめん。そうだったんだ』
「夏夜?」
ちょっとごめん、と言いながら里佳子は私の額に掌を置いた。
「ちょっと!すごい熱じゃない!」