%コード・イエロー%
「はぁ~・・・」
私の背後で、自動ドアがシューと音を立てて閉まった。
まるで私の存在を排除するみたいに。
大きな音をたてて、ため息をつく。
腕時計が、私がこの建物に入ってから3時間が経過した事を教えてくれる。
・・まさかこんなに厳しいなんて。
専門学校を卒業後、すぐに今の病院に勤め始めた私は、まともな就職活動をした覚えがない。
というのも、病院の正職員はコネであらかじめ決まっているため、一般の採用枠がなかった。
しかしその代わりというか、派遣社員の募集は山のようにあり。
ちょうど病院が、正職員を大量に減らして、派遣に切り替えようとしていた時期と重なったことも幸いし、
私は今の会社から是非にと手を引かれて入社したのだ。
一応、履歴書も書いたし面接も受けたが、形式的なものでその時受けた人間はすべて採用された。
将来に不安を感じることはあったが、病院側に姉の関係者である事を知られたくなかったから、
詳しい詮索をされずに病院の中で働ける派遣社員は、隠れ蓑としては絶好の位置だとも言えた。