%コード・イエロー%

自分の仕事に誇りを持ってるなんて思っていたけど、

こうしてみるといかに自分が世間知らずであるかって事を、否応なく見せ付けられて。


「はぁ~」


やっぱり何度もため息が出てくる。

お昼を食べて再挑戦とも思ったけど、すっかり気持ちが萎えてしまった。

今は、何も考えたくない。


かといって、このまま亮雅のマンションに帰る気にもなれず、

私はふと姉の墓参りに行こうかと思いついた。

忙しくて、最近ちっとも行ってなかった。

お盆の前に、一緒に行きたいという亮雅の車でお参りして以来だ。



・・草抜きにはちょうどいいかも。



青い空と白い雲のコントラストが美しい、よく晴れた日。

少し肌寒いくらいが、労働するにはちょうどいい。


それは、本当に単なる思い付きで、今日が何の日かなんてちっとも覚えていなくて。

だから、後から思えば、このとき私が墓参りに行こうなんて思ったのは、

ただの偶然ではなく、運命だったのかもしれない。


春菜ちゃんが、私の中の憎しみを許しに変えるために与えてくれた、機会。


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