%コード・イエロー%
同じような家が立ち並ぶ住宅街は、暗いとますます迷路のように思える。
しかも、頭が正常に働いていない私は、道をまっすぐ歩くことすらできていないようで。
・・そうだ。里佳子にメール送ってないや。
途中、歩けなくなった私は、電信柱の陰に座り込んだ。
鞄から携帯電話を取り出すと、里佳子にコールした。
メールを打とうと思っても、なんだか画面が良く見えない。
電話なら、短縮の1番が里佳子の番号だからなんとかなる。
「もしもし?夏夜?」
呼び出し音がなる前に里佳子が出たので、びっくりした。超能力みたいだ。
「ね、今どこにいるの?
帰りに寄ろうと思ってマンションまで来たけど留守だから、ちょうど電話しようと思ったとこだったのよ」
「ん~。わかんない」
「はぁ?」
「病院の近くの・・・フレンチ、レストラン、か、ら帰る・・・とひゅう」
「夏夜?ちょっとどうしたの?夏夜?」