%コード・イエロー%
里佳子の声が、だんだんと遠くなる。
携帯を支えきれなくて、私の腕が地面に落ちた。
・・だめ。眠い。
キキッー!
タイヤの摩れる嫌な音がして、私の意識が少しだけ覚醒する。
私が座っているすぐ目の前に、一台の車が止まって、中から二人の男が降りてきた。
その後ろに、誰かが立っている。男たちに何か声をかけて指示しているみたいだ。
銀縁の眼鏡のようなものが、きらりと光ったけど、暗くて顔はわからない。
・・誰?
どこかで聞いたような声の気もしたけれど、その男たちが私の近くまで迫ってきたところで、
私は電柱にもたれたまま、意識を手放した。
『夏夜!』
最後に聞いたのは、誰かが呼ぶ私の名前だった--。