%コード・イエロー%

運ばれてきたボリュームのあるハンバーグに、二人してしゃぶりついた。

緊張で朝からあまり食べていなかったので、事実上これが今日初めての食事だ。


お腹が少し満たされたところで、私は思い切って疑問を口にした。

オブラートに包むようなやり方は好きじゃないから。


「いつからお母さんのことに気づいてたの?」


ストレートに。


「夏夜に全部聴いたときにね、ふっと思い出したことがあったの。

昔、お母さんが裁判所に行った事があること」


はっとした。

そうか。裁判をおこすってことは、そういうことなんだ。

証人として、大橋も出廷したことがあったのだろう。


「私も小さかったし、忘れてたんだけどね。

それに、お母さんは、なぜか私が看護師になるのを反対してて」


「あぁ。激務だから辞めておけって言われたって」


親が看護師だと、娘も看護師になるパターンは結構多いから不思議だったけど。


「多分、夏夜のお姉さんのことが頭にあったからなんだろうね」



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