%コード・イエロー%
昨日まで降り続いた雨のせいで、地面はややぬかるんでいるものの、
今日は、雲ひとつない青空が広がっている。
「こんにちは、永井君。
眼鏡コンタクトに変えたのね。ずいぶん印象が違うから驚いたわ」
ひょっとしたら印象を変えるために、わざと眼鏡をかけていたのかもしれないけれど。
私は笑顔のまま、結婚おめでとう、と続けた。
彼の驚愕の顔には、“どうしてここにいるんだ”と書いてある。
けれど、彼の回転の速いコンピューターのような、およそ人間性の感じられない脳みそは、すでに冷静な計算を始めていた。
「藤崎さん」
やや引きつってはいるが、多分、笑いかけているのだろう。私に。
「来てくれて嬉しいよ。その、僕たちの間にある誤解を解いてくれたみたいで」
たくさんの拍手にかき消されながら、彼が私に耳打ちするように話しかける。
花嫁は反対側の招待客に笑いかけていて、こちらには気づいていないようだ。
「綺麗な奥様ね」