%コード・イエロー%
考えるより先に、体が動いた。
手なずけられた犬のようだ。
藤崎さん、と同級生が私を呼ぶ声はもはや風の音と同じで。
私は正門に立っているスーツ姿の亮雅に向かって、全力で駆け出した。
亮雅だ。
間違いない。
亮雅だ!
彼も自分に向かって飛んでくる、くしゃくしゃの顔をしたあやしい女に気づいたのだろう。
目が合うと、不敵な笑みを浮かべた。
「亮雅!」
彼の広い胸に思い切り飛びついてしまう。
・・亮雅だ。亮雅!
言葉にならない思いを、人はどうやって表現するのだろう。
これまでの人生も、この3年間の勉学も、この感情をありのまま残らず言い表すことなどできやしなくて。
私はただただ、懐かしい彼の胸にもたれかかって、駄々っ子のように泣きじゃくった。