%コード・イエロー%
次の言葉をつむごうとしたけれど、頭の中が空回りして適切な台詞が出てこない。
金魚のように口をぱくぱくさせていると、
「なんだ、今のじゃ足りなかったか?」
って、にやにや顔の亮雅。
「ば、ばか~!!」
今頃になって、心臓がばくばくと高速回転で悲鳴を上げ始める。
自分でもわかる。
きっと今、私の顔は熟れ過ぎたトマトみたいになっているはずだ。
「夏夜」
急に真面目な顔をした亮雅が低い声を出すので、私の体がびくりとはねた。
「な、なに?」
「もう一度ここでキスしていいか?これが現実だってこと確かめたい」
亮雅は本当にずるい。
今にわかったことじゃないけど、そんな泣きそうな目をして言われたら、
頷く以外にないじゃない。