%コード・イエロー%
「あれ、知らないの?病棟じゃ有名な話だよ。
学校の卒業式に、門の前でいちゃついてたバカップル。
ちょうど病棟の窓から丸見えで、何人もの看護師や先生たちが目撃してちょっとした大騒ぎだったんだから」
「え~?本当?
藤崎さんってそういうタイプに見えないけど、そうだったんだ。ふ~ん」
「相手はなんと、外科の先生らしいわよ」
「うっそ~!!」
今時のギャルちっくな先輩看護師(もちろん年下)に上から下まで、値踏みするように眺められ。
「あ、あの。お、お先に失礼します!!」
いたたまれなくなって、彼女たちに背を向けた。
多分私がいなくなったところで、落ち着いて私の噂や憶測を飛ばしているに違いない。
それらの一部は、確かに事実に基づいているわけなんだけど。
・・もう~!亮雅のせいで~!!
私が通っていた准看護学校は、付属の病院が運営しているもので病院の敷地内に学校が建っている。
病院を入ってすぐに外来の建物、その奥に病棟、さらに奥に学校と体育館、それに保育園と寮が建っている。
つまり病院の裏側に学校の正門があるわけなのだが、そこがちょうど病棟の窓から見下ろせるかっこうの位置にあり。