%コード・イエロー%
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「なるほど~。ずいぶん幸せそうですねぇ~。
その様子じゃ、夜もばっちりうまくいってるようでなにより」
開口一番、里佳子は私と亮雅をじっくりと眺めてそう言った。
「な、何言ってるのよ!里佳子ったら!」
確かに昨日、そういうことがあったのは事実だけど、そんな話を里佳子にした覚えはまるでなく。
「おかげさまでな。
ま、こいつが俺のこと忘れられるわけがないんだけどな」
「なっ!」
間髪いれず返事をする亮雅に、開いた口がふさがらない。
昨日の夜、愛してると私に囁き続けたのは、どこの誰だったんだ。
「ま、とにかく二人とも座って。すみません」
里佳子が手を上げると、すぐに店員さんが前菜を持って現れた。
ここは、以前里佳子とハンバーグを食べに来たお店で、
確か今日みたいな週末の夜なんて、予約をしないと座れないはずなんだけど。
「大橋さん、わざわざ予約してもらってサンキュな」
「別にいいですよ。仲地先生のおごりだっていうから、コース頼んじゃってうきうきですから!」