%コード・イエロー%



    *****




「なるほど~。ずいぶん幸せそうですねぇ~。

その様子じゃ、夜もばっちりうまくいってるようでなにより」


開口一番、里佳子は私と亮雅をじっくりと眺めてそう言った。


「な、何言ってるのよ!里佳子ったら!」


確かに昨日、そういうことがあったのは事実だけど、そんな話を里佳子にした覚えはまるでなく。


「おかげさまでな。

ま、こいつが俺のこと忘れられるわけがないんだけどな」


「なっ!」


間髪いれず返事をする亮雅に、開いた口がふさがらない。

昨日の夜、愛してると私に囁き続けたのは、どこの誰だったんだ。


「ま、とにかく二人とも座って。すみません」


里佳子が手を上げると、すぐに店員さんが前菜を持って現れた。


ここは、以前里佳子とハンバーグを食べに来たお店で、

確か今日みたいな週末の夜なんて、予約をしないと座れないはずなんだけど。


「大橋さん、わざわざ予約してもらってサンキュな」


「別にいいですよ。仲地先生のおごりだっていうから、コース頼んじゃってうきうきですから!」





< 459 / 481 >

この作品をシェア

pagetop