%コード・イエロー%
「な、なんでそんなこと」
里佳子が知ってるんだ!
茹蛸状態になった私の顔。
一生懸命記憶を掘り起こすけど、やっぱり亮雅が会いに来てくれたとしかメールしてないはずだ。
私が微妙な顔をしていたのに気づいた里佳子は、おや?、というような表情になった。
「夏夜ってば、仲地先生に聞いてないの?私、ずっと先生と連絡取り合ってたんだよ。
ま、夏夜の邪魔はしたくないって仲地先生が言うから、試験に受かるまでは内緒にしてたけどね」
「な!?」
思わず亮雅に視線を移すが、彼はそ知らぬ顔で窓の外を眺めている。
・・この、タヌキ男~!
絶対に聞こえているはずなのに、わざとらしく顔をそむける亮雅を思いきり睨みつけた。
「お互いの気持ちがどれくらい真剣なのか、離れて確認するんだとか言ってたけど、大変だったのよ~。
毎度毎度、夏夜に男ができてないか気にしちゃってさ」
「ちょっと待てよ、大橋さん!俺はそんなこと一言も」
「あら~。本当でしょ。
合コンにも行かないで頑張ってるって言ったら、そっかぁ~なんて声のトーンが上がってめっちゃ嬉しそうだったもん。
良かったね、夏夜。先生も夏夜と同じ気持ちでさ!」