%コード・イエロー%
ウェイターが次の皿を持って現れたので、そこでいったん会話が途切れた。
自家製の枝豆で作られたスープは、かなりおいしいと評判の品だ。
里佳子がおいしそ~、と言ってスプーンを握り、亮雅は緑色ってのが苦手だな~、と顔をしかめた。
さらりと言ってのけた里佳子の台詞が過去のものとして扱われそうな気配に、
私は慌てて口を挟んだ。
「本当なの?亮雅・・・今、里佳子が言ったこと」
スプーンがさらに当たって、カチャンと音がたった。
「んん~。まぁ80%くらいは」
「80%って、どこの部分が本当?」
「このスープ見た目はいまいちだけど、うまいな!」
誰の目にも、亮雅の下手なごまかしが見て取れる。
「夏夜も一人で頑張ったんだよ。ご褒美にちゃんと教えてあげてよ」
恨めしそうな目で見つめていると、横から里佳子が助け舟を出してくれた。
どうやら“恋人”よりも“恩人”の言葉に弱いらしい。
わかったよ、と言いながら、亮雅は私に顔を向けた。