%コード・イエロー%
なんとか冷めないうちにハンバーグにありついて、私たちは近況を報告しあった。
ふと、何か忘れているような気がして。
「あれ?それで結局、80%の話ってなんだったっけ?」
突然会話をまき戻す。
途中から話が脱線して、答えがわからなかったような。
確か、亮雅の気持ちは決まってる。けど、私は複雑だから、とかなんとか。
んん?
ってことは。
「もしかして、私の気持ちを試すために、3年間も放っておいたの!?」
「そういうことだな」
「そういうこと、って。ひどい!私のこと、疑ってたってこと?」
「いやちょっと違うな。ひょっとしたら、夏夜には俺より相応しい男がいるんじゃないかって思っただけだ。
歪んだ関係を解除して、もう一度新しくやり直すべきだと思った。
ま、よく考えたら、俺よりいい男がそうそう転がっているわけがない。
夏夜もあきらめるんだな。30を過ぎた独身女にそうそう男は寄ってこないぞ」
リアクションに困って押し黙った。
前半は胸がきゅんとするような台詞だったような気もするが、
途中からなにやら雲行きが怪しくなり、
後半は、完全に侮辱を含んでいた。
里佳子が私たちのやり取りにぷっと吹き出したとき、店員が長方形の大きな苺ケーキを運んできた。