%コード・イエロー%
少しだけワインを飲んだ私は、軽くほろ酔い気分でベッドに倒れ込んだ。
「ほら、ちゃんと洋服脱がないとしわになるぞ」
「う~ん。わかってる」
さっきまでの最高にハッピーな場面を何度も思い出して、思わず顔がにやけてしまう。
食べきれないケーキをどうするのかと思えば、亮雅は店に来ている人や店員さんに配ってしまったのだ。
おかげで、初めて会った何人もの客に、おめでとうございます、ごちそうさまです、
などと声をかけられ、恥ずかしいけれどとても楽しかった。
「良かったなぁ。里佳子も」
私がベッドに顔を押し付けたままつぶやくと、あぁ、結婚のことか、と亮雅が相槌を打った。
『そういえば、報告が後回しになったけど、結婚が決まったんだ』
看護師になったら結婚することになっていたのだそうで、まもなく入籍の予定らしい。
仕事を始めたばかりなので、ハネムーンはなしというのが少し寂しいが、里佳子らしい気もした。
「うらやましいのか?」
「え?」
「結婚」
亮雅の口から結婚という単語が飛び出したので、私はどきりとする。
「ええと、そりゃ一応女だから」