%コード・イエロー%
薬がほしいとか、ちょっと熱っぽいとか、
いわゆる、コンビニ受診の患者をさばきながら、重傷者がこないので、ほっとしていると。
「藤崎さん、仮眠とっていいよ。
先週まで入院してたんでしょ。今日暇そうだし。
ここは、俺がやってるよ。だめなときは呼ぶから」
優しい声をかけてくれたのは、私と同じときにこの病院で働き始めた永井君だ。
永井君は、経営戦略課って部署に、やはり派遣で働いている。
こちらは、正真正銘の“派遣社員”だが、Q外で働くときだけは、請負になるという、
ややこしい身分の持ち主だ。
この差はなんで生まれるか、というと、二次感染がありえない、ってところからくる。
経営戦略課って言う部署は、病棟や外来とは別の場所にあって、患者との接触はまずない。
だから、派遣で雇う方が、指示がとばせて便利。
でも、Q外は、二次感染がありえるから、請負業務として、受付全体をうちの会社で受けている。
したがって、彼は今、請負さんなのだ。
なんて、ややこしい。