%コード・イエロー%

ま、彼の場合は、かなりの名門大学を卒業しているから、

頭脳派集団の、経営戦略課に雇われるのも当然と言えば、当然、だけど。



・・永井君も、もう28歳、なんだよね。



私より2つ年上の彼が、いまだに派遣社員としてしか働く事を許されないのを見ると、

自分の将来を見ているようだ。


仕事もできるし、性格も悪くない。

でも残念ながら、正社員としてはどこにも雇ってもらえない。


そのせいで、多分、結婚もできないんだろう。

いかにも頭のよさそうな銀縁の眼鏡をかけているので、少々怖いイメージがするけど、

よく見るとけっこうイケメンなのに。


ほんと、もったいない。


「何?俺の顔、なんかついてる?」


その言葉で、無意識に永井君の顔を眺めていたことに気づき、

私は慌てて首を振ると、みんなに仮眠をとります、と頭を下げた。






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