%コード・イエロー%
あまり長居をするわけにはいかない。
仮眠をとったふりをして、仕事に戻らなければならないのだから。
私は、震える体にきづかないふりをして、順番にカルテを探っていく。
と、
突然、入り口の方から、ガチャン、と扉の開く音が聞こえた。
・・ウソ!?
普段明かりのついていないはずのカルテ庫は、今、私がめいいっぱい明かりをつけてあって。
・・どうしよう。Q外で、カルテが必要になったんだ。
膝ががくがくと震え、力が入らない。
額を伝う汗が、肌にべっとりとはりついて、吐き気を誘う。
・・永井君なら。
私は、近づく足音が、永井君である事を祈った。
見つかれば、犯罪者だ。
けど、彼になら、なんとか口止めをお願いできるかもしれない。
倒れそうな体を、必死に棚で支え、私は息を潜めた。