存葬乃楼
~放課後~

唯が私のクラスに来る前にHRが終わり唯のクラスまで迎えに行き、唯と高校2年の夏に一緒に旅行に行った記念のストラップを付けた携帯を片手に待つことにした。ストラップを触りながら今年の夏も一緒に旅行でもできるのかな…そんな不安がよぎった。

「受験生だしっ」

私は自分に自分の立場を言い聞かせ、メールを打っているとHRは終わり唯が出てきた。

「ごめ~ん。流華、待った?」

「待った待った。」

「ドリンク奢るから許して。」

私は唯に「待ってないよ」と伝えた。
唯は素直すぎるところがあってこういう冗談交じりでも本当に奢ろうとしてしまうから誤解を解いてあげないといけない。その性格からからかわれることも、虐めに合いそうになりかけたことが何度かあった。
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