存葬乃楼

玄関についてインターホンを押してからの時間、ほのかに香る線香の匂いがまだ49日を終えていないことを私達に伝えてくるようで私は同じ年の「死の匂い」を感じたようで少し複雑な気持ちになった。

その気持ちが私の心に再び疑問を抱かせた。

「何で生きてるの?」

何で?何で?何で?何で?………

不意に浮かぶ言葉は私を執拗に攻め続けた。
何で?そこに理由はいるの?答えはあるの?

私が1人で考えてる間に唯はインターホン越しに、ご焼香させて頂きたい事を伝えていた。
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