存葬乃楼

「この子…そんな一面もあったのね。家では話さない子だったから」

お母さんは悲しげな目を唯に向けて「教えてくれてありがとう」そう言って唯の手を握った。

「この子…何も言わなかったの。何も相談もしないで、1人で決めて死んだの…ねぇ唯さんは何か聞いてなかった?」

私は会話には入らず黙って聞いていた。
お母さんもその自殺の理由は知らずに探しているようで唯に聞いていた。でも唯は何も知らない。
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