存葬乃楼

「唯今日の体育見学してなかった？」

私の席は校庭に面した窓際の席で暇さえあれば他の学年、他のクラスの体育の授業を眺めていた。たまたま自習の時間に唯のクラスが体育をしていたので眺めていたら唯は見学をしていた。
休憩時間に廊下でたまたま見かけた唯に私は話し掛けた。

「うん。ちょっと体調が悪かったの」

「大丈夫？」

私はそう答える唯に違和感を感じた。

「風邪でもひいた？」

「ううん」

「熱でもあるの」

「そうじゃないんだけど…」

違和感の正体はさっきの授業を見学してた唯が、見た感じは普通なのだ。風邪でもないし、熱もない。あとはダルさとかだろうけど、そんな感じは全然なかった。

「唯～。隠し事してるでしょ？」