ミズイロ
「そんな上手い話があるわけないっしょ」
「わ、分かんないもん。いつか迎えに来てくれるかもしれないじゃん!白馬に乗った…」
「王子様は絶滅いたしました」
「もう!さっちゃん、ちょっと現実的過ぎるよ」
「夢見るより行動しないと、彼氏できないよ?」
「うっ」
大和田沙紀。
夢なし。
目標なし。
彼氏なし。
三流だけど一応大学行ってるし、料理も裁縫もちょっとはできるし、容姿だってまぁまぁだし、彼氏いたっておかしくないと思うんだけど。
でもそれは自惚れなんでしょうか。
そうなんでしょうか、神様。
夏だし。
夏休みだし。
彼氏と海行ったり、お祭り行ったり、花火大会行ったり…
したいことが沢山あるのに。