ミズイロ

「そんな上手い話があるわけないっしょ」

「わ、分かんないもん。いつか迎えに来てくれるかもしれないじゃん!白馬に乗った…」

「王子様は絶滅いたしました」

「もう!さっちゃん、ちょっと現実的過ぎるよ」

「夢見るより行動しないと、彼氏できないよ?」

「うっ」



大和田沙紀。


夢なし。

目標なし。



彼氏なし。



三流だけど一応大学行ってるし、料理も裁縫もちょっとはできるし、容姿だってまぁまぁだし、彼氏いたっておかしくないと思うんだけど。


でもそれは自惚れなんでしょうか。

そうなんでしょうか、神様。



夏だし。

夏休みだし。


彼氏と海行ったり、お祭り行ったり、花火大会行ったり…

したいことが沢山あるのに。
< 2 / 40 >

この作品をシェア

pagetop