ミズイロ
「あー寂しいっ、彼氏欲しいよぉ!さっちゃぁん!」
「じゃあ、誰かに紹介してもらいなよ!合コンするとかさ」
「そういうこじ付け的な出会いは嫌なの!自然に出会いたいの!」
「はぁ?知らんがな…」
さっちゃんはいいよな。
何だかんだ美人だし、将来翻訳家になるっていう素晴らしい目標があるし。
ていうか、彼氏いないのに全然がっついてないし。
ていうか、告白されても夢に夢中で断っちゃってるし。
「沙紀、まずは自分のやるべき事をちゃんとやってみ。恋愛以外にも、やる事はいっぱいあるんだから。恋だ恋だ言ってるうちは、絶対いい出会いなんてないから。まじで」
「……」
い、言い返せない。
さっちゃんは、ねっと私の肩を叩いて笑った。