ミズイロ
「あの!!」
水色のリュックを声を大にして、呼び止めた。
彼はびっくりして、振り返った。
今日もメガネをかけている。
彼はすぐに、あって顔をした。
また彼が私の目を見た。
勢いで私は口走った。
「あの、私、ずっと謝りたくて。この前は本当にすみませんでした!」
頭を下げたら、彼は慌てて私をとめた。
「いや、いいって、マジで。大丈夫だったからさ」
「でも」
でも、ここでじゃって終わっちゃったら、そんなの……。
「何か、お詫びさせてください!そこのカフェか何かでもで…」
「いや、ほんと、いいから。気にしないでいいよ」
でも、でも、でも…!
このまま何も進めないまま、背を向けられたくない。
「あっ、じゃあちょっと待っててください」