君のこと
「愛琉ーっ」

外から修斗の声がした。
窓を開けて外を見る。

「修斗っ」

「鍵開いてる?」

「うん」

あたしは下に降りた。

「久しぶりだわ、姫井家に来るの」

修斗が笑う。
可愛く笑うなと思った。
修斗は運動神経もよくて
勉強もそこそこできてモテる。
なんで彼女が居ないのか
すごく不思議なのだ。

「んで、泣かしたのは麗琉?」

そう言って修斗は
あたしの隣に座った。

「・・・」

あたしは黙って頷いた。
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