准教授 高野先生の結婚

彼の手のひらに溢れる愛情を感じながら、私は心から誓った。

「寛行さん、大丈夫だからね」

「ん?」

「私は寛行さんの味方だから、絶対に」

私を選んだことを決して後悔させまい、と。

ずっと二人で幸せでいよう、そして――

欲をかいちゃいけないけど、だけど――

もっと二人で幸せになろう、と。

この左手の薬指の指輪に誓って約束した。

「君が味方でいてくれたら、誰よりも何よりも心強いな」

「その果たし合い、助太刀いたす!」

「なんか望の口調みたいだ」

「ふふーん。あっ、あのね……お父さんもお母さんも敵じゃないからね?」

「うん、わかってる」

「うん」

「さあて、それじゃあ僕の……僕らの心意気を披露しに行こうじゃないか」

「行こうじゃないか!」

私たちはシートベルトをびしっと締めて、いざ出発した。

おそらく首をながーくして待っているであろう私の両親の元へ。

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