准教授 高野先生の結婚
こんなふうに並木先生からお誘いを受けるのは初めてのこと。
いったいどういう風のふきまわし???
けど、理由はどうあれ、ここは丁重にお断りしよう……。
なにしろ突然のお誘いだし、私にだって予定というものがある。
それに、並木先生は誘いを断ったくらいでヘソをまげるような小っさい人じゃあない。
うん、そうだ!
だから、私は気兼ねなく――
「あの、先生……」
「教授命令だから」
「はい?」
一瞬、思わず自分の耳を疑った。
先生、今なんと???
「君に断る権利はないの。すぐに支度して1階のロビーね。はい、行動開始」
そんなぁ……。
いきなりばっさりだ。
いつもと何か様子の違う並木先生。
師匠の絶対命令に弟子の私は素直に従うほかなかった。