准教授 高野先生の結婚
さてさて。
洗濯物をやっつけて、待ち合わせの時刻より少し早く美術館に到着すると――
「なんで!?どうして寛……“高野先生”がここにいるんですか!?」
真中君はまだ来ていなくて、桜庭さんと、どういうわけか寛行さんが待っていた。
これって、ひょっとして……!?
咄嗟にいつかの記憶が頭をよぎる。
私ってば、またもや寛行さんにはめられたとか???
前のときは並木先生だったけど、今度のグルは桜庭さん???
はっ!?ま、まさか実は真中君まで???
「あのですね、ちょーっとお聞きしたいのですが……」
「あぁ、高野サンとはさっき展示室の前で偶然会ってね。だからお誘いしたんだよ」
「偶然???」
あからさまに、ちらりと訝しげに彼を見る。
「Y大病院に行ってきた帰りなんだよ。森岡を送ってね」
「森岡先生を?」
「千尋ちゃんが救急搬送されることになったって美穂ちゃんから連絡があったんだ」
「ええっ!!」