准教授 高野先生の結婚
なんだろう?何故かカラダに力が入らない。
立ち上がろうとしても……ありゃりゃ。
後ろには誰にもいないのに膝カックン。
どしてなの???
「シオリン、歩けるよね?しっかりつかまって。真中クン、シオリンの荷物は?」
「大丈夫ですよ。ボク、持ってますから」
「ダイ・ジョブ・デス!」
「大丈夫じゃないし。ほら、桜庭サンとボクにしっかりつかまって、ちゃんと歩く」
「うすっ……」
「おおーっ。“ダイ・ジョブ・デス”以外も言えたんだね、シオリン」
「優しすぎですよ、桜庭サンは……」
頭の中は、ぱやーんぽやーん。
ちょっと……眠い……。
真中君と桜庭さんに支えられながら――
ちょっと歩いて、エレベータに乗って。
エレベータを降りて、また少し歩いて。
それから、自動ドアが開く音がして……。
「っわ!さぶっ……!」
「あ、高野サン来てる。シオリン、ほら!寝るのは車に乗ってからにしなよ!」
「そうだよ。お花の道のところを走ってきたお神輿が君を待ってるよ」
「桜庭サン……」