准教授 高野先生の結婚

なんだろう?何故かカラダに力が入らない。

立ち上がろうとしても……ありゃりゃ。

後ろには誰にもいないのに膝カックン。

どしてなの???

「シオリン、歩けるよね?しっかりつかまって。真中クン、シオリンの荷物は?」

「大丈夫ですよ。ボク、持ってますから」

「ダイ・ジョブ・デス!」

「大丈夫じゃないし。ほら、桜庭サンとボクにしっかりつかまって、ちゃんと歩く」

「うすっ……」

「おおーっ。“ダイ・ジョブ・デス”以外も言えたんだね、シオリン」

「優しすぎですよ、桜庭サンは……」

頭の中は、ぱやーんぽやーん。

ちょっと……眠い……。


真中君と桜庭さんに支えられながら――

ちょっと歩いて、エレベータに乗って。

エレベータを降りて、また少し歩いて。

それから、自動ドアが開く音がして……。

「っわ!さぶっ……!」

「あ、高野サン来てる。シオリン、ほら!寝るのは車に乗ってからにしなよ!」

「そうだよ。お花の道のところを走ってきたお神輿が君を待ってるよ」

「桜庭サン……」

< 164 / 339 >

この作品をシェア

pagetop