准教授 高野先生の結婚
周りの目なんぞはちーっとも気にしない!
我が道を行く男、それがコータロー。
けど、学生でなくなれば彼とてそれなりの服装に落ち着くものと思っていたのに……。
「コータロー、目立つでしょ???ご近所とか職場で有名人なんじゃない???」
「うんにゃ、そうでもないよ。社宅はいろんな人がいるからね」
「え゛っ」
あのコータローの上をゆく“いろんな人”のいろいろっていったい……。
「外国の人とかけっこう多くてさ。欧米系、アジア系、いろーんな国の人いっぱい。
日本人と違ってさ、彼らはみーんな自分の好きな格好してっからね。
好きなものは好き!ってさ、周りにどう思われるかとかあんま気にしないみたい。
それに、周りの人間が何を着ようととやかく言ったりしない感じだし」
「へぇー」
「まーね、ラボでは決まった作業服みたいのがあるから皆同じカッコらしいけど」
「あ、職場ではサイケじゃないんだ」
「ん?なんじゃ?その“ほっ”としたような言い方は???」
「い、いやいやいやいや!別に!何も!」
まぁ、ほっとしたのは本当だけど。
っていうか、“感心した”というほうが正しいかも。
だって、社宅生活って色々難しそうとか窮屈そうな印象を持っていたから。
でも、カスガイたちは夫婦揃ってちゃんと二人らしく暮らしているんだなって。