准教授 高野先生の結婚
平日だからだろうか?頼んだお蕎麦は思ったよりも早くきた。
そして、それは思った以上にとーっても豪勢で美味しいお蕎麦だった。
「なんか盛り盛り豪華でびっくりかも」
「そうだね、お品書きには写真がなかったから。なんだか余計に得した気分だ」
ずるずる、もぐもぐ。
さくさく、ずるずる。
そうして私たちは“上”すぎる“上天ぷら蕎麦”を美味しくいただいた。
“ごちそうさま”の後は、洗い物とお風呂の準備。
「さて、と。器を洗って玄関の前に出しておかなくてはいけないな」
「ん。私が洗って出しておくよ」
「いいの?」
「うん。あ、そしたら、寛行さんはお風呂作ってきてもらえませんか?可能なら」
彼と私は、自然に助け合ったり譲り合ったりしながら家事ができる。
これは夏休みにプチ同棲?をしたときに実感したことだった。
“そのときに出来るほうが進んでやる”
“自分の得意分野はすすんでやる”
“ダメなときはすぐ相談”
もちろん――
なんといっても、彼は一人暮らしが長いせいか家事は何でも出来る人だし。
そんな自立した彼に助けられている部分ってすっごく多いわけだけど。
「じゃあ、洗い物は君にお願いして、僕はお風呂作成ね」
「うん。“世帯主”はお風呂作って、“同居人”はどんぶり洗うってことで」
「君はまたそういうことを……」