准教授 高野先生の結婚

翌日から早速、私はドレス選びを開始した。

平日の長閑(のどか)な昼下がり。


「ごめんね、なんか急なお願いして……」

「うんにゃ。召喚してくれてよかったよ」

「召喚って……」


ドレス探しの相棒として召喚されたのはカスガイこと竹井愛。

ダメもとで誘ったのだけど、運よくつきあってもらえてすっごくラッキー。


「アタシも結婚式のこととか考えないとなぁって思ってたからさー」

「そっかー。カスガイんとこも式はまだだったもんね」

「そうそ。アタシとコータローは別にやらんでもいいのだけどね、ママが」

「なるほどね」


そう言えば“結婚式は親の為”なんて言葉を雑誌で見たことあったっけ……。

うちは“二人の好きなように”なんて言ってくれているけど。

やっぱり花嫁姿に期待してたりするのかな?お父さんなんかは特に……。
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