准教授 高野先生の結婚
2.プロポーズ日和
秋の終わり?冬の始まり?
晩秋?初冬?
11月って秋の色彩を残しつつ冬の質感も持っている。
秋と冬が混ざり合った微妙な味わい。
想い出の季節、想い出の場所。
目の前に広がる海は、ただ静かで、もの淋しくて、なんだかちょっとよそよそしい。
まるで孤高を持したかのような佇まいを見せている。
手をつないで二人で歩く秋の海岸。
「いいお天気だね」
「そうだね。あっ、君って晴れ女?」
「どうかな???寛行さんは?」
「僕はねぇ……」
「ああっ!雨男でしょ!絶対に!!」
「ご自由に、君の想像に任せるよ……」
天気予報では、お日様マークと雲のマークの両方が出ていたけれど、なんのなんの。
見上げるかぎり空は雲一つない青一色。
本日は晴天なり。
まさに絶好のプロポーズ日和?である。