約束
―――――その夜―――――

私は夢を見た。

遠くには沙耶がいた。

すると、だんだん沙耶が近づいてきて

私の手を握った。

私の手を握ったとき、沙耶は血だらけだった。

逃げようとする私の手を強く握り、

深い闇へと引きずり込む。

そんな夢を見た。



目覚めると、私の額は汗で濡れていた。

スウェットに着替えてリビングに行くと

お母さんが朝食を用意していた。

「あら、愛。土曜日なのに早いじゃない」

お母さんが私に気づき話しかけてきた。

「いや・・・ちょっと怖い夢見たから」

「あんたもう中学生なのにまだそんなこと言って」

「うっさいなー」

プルルルルル………

「お母さん電話~~」

「はいはい」

つーか誰なのよこんな早くに。非常識

「あら、どうしたの?」

静まり返った部屋にはお母さんの声だけが響く

「う…うそ…?沙耶ちゃんが?」

え!なに沙耶がどうしたのよ

「わかった…今行く」

お母さんはそれだけ言い、電話を切った。

「愛…よく聞いてね…」

「なに?」




「沙耶ちゃんが自殺した」


「は!?」

なんなの冗談はやめてよ

「部屋で首を吊っていたんですって」

「そ…そんな…なんで?」


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