またね
外に出ると…

そこに誰かと楽しそうに電話をする翔太郎が立っていた。
翔太郎は店から出てきた私に気が付いたはずなのにちらりと私を見て目を反らした…


「おぅ また電話すると!わかったわかった…」


何だか気まずい…
店に戻るのもおかしいし…

「前っち!どうした?気分悪かぁ?」

さっきは完全に私のこと無視してたくせに!


「…なんでもない 今の電話彼女?」


聞いて何になるわけもないし寧ろ聞きたくもないのに私は自然と聞いていた。  

「あ… そんなもん 電話せんとうるさいとよね!」

翔太郎は困ったようにはにかんだ。

こんな顔もするんだね…
何時もはクールな顔してるくせに!

彼女に見せる顔…


「あ゛― 前っち!そう言えば!二千円罰金だからな!」


「はぃ?何それ?!そんな約束してへんし!」


二人は顔を見合わせて笑った…


「そろそろ中入ろうか?」

私たちは揃って店の中に入っていった。


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