またね
店からでると次々に目当ての相手を見つけて二次会へと夜の街へ消えて行った…
出会って1週間…

解放感のあるこの街が大胆な行動へ誘惑する。


私達四人も花水木通りをゆっくりと歩いていた。

ひとみは力也と手をつなぎ愛し合う恋人のように少し前を歩いた。

私と翔太郎は友達の距離を守りつつ肩を並べて歩いた…

「恋愛ごっこかぁ…」

「ん?」

「なんでもない」

何独り言言ってるんやろ?私…


「あ゛―そぅ言えば 前っち 罰金!いつ払う?約束したとよね?!」


翔太郎はいじめっ子のような顔で私を見た。


「は…払わんしぃ!約束なんかしてないやん!」

翔太郎は少しも変わらないポーカーフェイスで

「それなら 明日付き合ってくれたら罰金許す!」

「何?明日?」

「暇だったら横浜に付き合ってや!」

「う…ん 暇じゃないけど…横浜行った事ないし、いいよ」

この調子じゃひとみは力也と約束をしてくるだろうし、私は全くの暇人なんだけど…
何の約束もない寂しい奴と思われるのが嫌だった。


「じぁ 決まり!明日10時に寮の前で!遅刻したら罰金と!(笑)」


翔太郎はいたずらっ子の顔で満足そうに私を見て微笑んだ。

私はドキドキした…
横浜…
二人で…
デート?


この時の私は、翔太郎の目的がデートでは無く他にあることを考えもしなかった…


誘われたことがただただ嬉しく舞い上がっていた…



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